第2回サマリー
CDSFR主催・第2回サイエンスコミュニケーションウェビナーの当日レポートとなります。(当日開催されたウェビナーのうち一部分のみのご紹介です。)今回はウナギ一色、大変興味深いお話を頂き、参加者の皆様全員に事後アンケート(初実施)にて「とても満足」と5段階中最高評価を頂きました。初回に続き、第2回開催に多大なるご協力を頂いた渡邊先生、財満先生、そしてご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。
CDSFR代表・ウェビナー司会進行役 三浦綾音
2021/06/26(土)開催
第2回タイムテーブル
2:00PM
ウェビナー開始
2:00PM-2:05PM
開会のご挨拶
2:05PM-2:20PM
渡邊先生から研究内容についてのお話
2:20PM-2:45PM
パネルディスカッション
2:45PM-2:55PM
質問コーナー
2:55PM-3:00PM
閉会・次回予告等お知らせ
近畿大学農学部教授准教授
渡邊俊准教授
魚類の生態を研究しています。特に、海と川を行き来する魚(ウナギ、ハゼ、スズキ、ボラなど)の回遊生態に興味を持ち、「なぜ彼らは異なる環境である海と川を旅するのか?」を解き明かしたいと考えています。
当日の雰囲気
第2回は渡邊先生のウナギ研究のお話を中心に、なぜ・どのようにウナギは回遊するのかのお話、ニホンウナギの卵を初めて発見された際の船上の動画や、一体どのように広い海から1.6mmの卵を見つけたのかといったお話等で、実際の研究現場をとても深く知ることのできた回となりました。参加者の皆様からも多数のご好評を頂きました。
パネルディスカッション
*本文は、質疑応答の内容を三浦がまとめたものです。
なぜ研究者の道に進まれたのですか?
皆さんがなりたい職業は何か・なりたいものは何かと考えるように、研究者というのも感覚的なものでした。自分でやりたいことができればな、と憧れを持ったというのと、研究者は数が少ないのでもしかしたらなれるのでは、と思ったことから研究を始めました。
研究はどのように進められるのですか?
まず新しい事を発見するためにアイデアを考えます。そこからチャンスをもぎ取るため、やはりお金集めが必要になります。次は仮説を立て、実験を行い、結果を分析して論文にまとめて公表するという一連の流れがあります。研究の終わりは絶対に論文を出さないといけない、ということを恩師の先生によく言われました。
研究のメリットややりがいは何ですか?
やはり、研究者であることのメリットは自分主導で進められる事と、好きな事ができるという点かと思います。やりがいは作品(論文)が公表されるという事です。話して発表ということもそうですが、字に残す事によって読みたいと思う人に読んでもらう事ができます。研究者の皆さんは、論文は作品・研究の集大成としてそれが公表される事をやりがいと感じ、そのために頑張っておられます。
これからの研究の世界はどうなっていくと思われますか?
昔と違い、現在はコンピューターやAIが発達してきていますので、AIがやる部分が増えて研究の割合も増えていくと思います。そこでやはりアイデア・研究の質の高さが重要になってくるのかも知れません。メンデルがマメの膨大な記録を残し、後世にてそれが再発掘されたように、字・作品に残しておけば再発見や、昔こんな研究をしていた人がいた、と分かってもらえます。なので、質の高い論文を活字に残し、公表する事が重要になってくるのではと思います。