第3回サマリー
学生団体CDSFR主催・第3回サイエンスコミュニケーションウェビナーの当日レポートです。今回は過去最多となる約30名の方にご参加頂き、質問コーナーも延長する程の盛会となり、ご好評も多数頂きました。私の個人的な感想ではありますが、「たとえ研究費がなくても研究はできる」というお話から、現在高校生の私でも努力すれば自分で道は切り拓けるものだという事を学び、大きな励みになりました。今回多大なご協力を下さった三田村先生、渡邊先生、財満先生、そしてご参加下さった皆様、誠にありがとうございました。
CDSFR代表・第3回司会進行役 三浦綾音
2021/08/10(火)開催
第3回タイムテーブル
6:00PM
ウェビナー開始
6:00PM-6:05PM
開会のご挨拶
6:05PM-6:20PM
三田村先生から研究内容についてのお話
6:20PM-6:45PM
パネルディスカッション
6:45PM-6:55PM
質問コーナー
6:55PM-7:00PM
閉会・次回予告等お知らせ
京都大学フィールド科学教育研究センター 海洋生態系部門・海洋生物環境学分野 教授
三田村啓理教授
幼少のころ魚釣りを好み、近くの川や池、湖に度々足を運びました。水が温み始
める春から山々が色づき始める秋までは魚に出会えましたが、寒風が吹くころに
は残念ながらすれ違いが続きました。いつでも魚と顔を合わせたい。 “いつ”“ど
こにいるのか”“何をしているのか”を知りたい。幼少のころの想いを胸に、今は
国内外問わず多様な魚類(メバル、カレイ、ウナギ、スズキ、ナマズなど)の移
動生態を研究しています。
当日の雰囲気
第3回は写真の魚は何かというクイズで盛り上がったスタートを切り、アデリーペンギンやクロマグロに発信機や記録計を装着して放流する(バイオテレメトリー)様子や、シロメバルの回帰メカニズム、クロマグロの群れ内の個体の位置を把握する世界的新技術等についてお話頂きました。「今まで見たことのなかった世界を覗くことができました」など、高評価と多数のご好評を頂きました。
パネルディスカッション
*本文は、質疑応答の内容を三浦がまとめたものです。
研究者になられたきっかけは何ですか?
幼少の頃に池で魚釣りをしていて、夏は釣れるのに冬は全く釣れなくなってしまう魚の行方を疑問に思っていました。そこで将来魚に発信機をつけて、餌を魚の目の前に落とせば冬でもつれるのではないかという想いがきっかけです。
研究者であることのメリットは何ですか?
一個人としての自分の想いや考え、哲学を表現できることですかね。私はこう思っている、こう理解しているということを容易に表現できることです。
研究される中で苦労されることはありますか?
全くありません。毎日が楽しいです。やりたかった研究ができていて、その上に好きなことを展開しています。そのような職業につけているので、感謝しかありません。
先生のご研究のゴールや目的は何ですか?
研究を通して自分の考えや哲学を伝えられると申しましたが、それは何のためかというと、やはりヒトとその周りの生物が生き生きと生きられるようにするという事です。ヒトのために研究するのはもちろんですが、何のために研究しているのかを常々考えています。ヒトのために研究をするのは容易なんですが、ヒトの役に立てば終わりだ、というところで止まってはいけないかなと思っています。